NTNは、エンジンの補機ベルト用に業界トップクラスの耐荷重性能を実現した「低断面高強度プレスプーリ」を開発した。
同品は、成形時の応力集中を回避するための解析技術を駆使した最適形状設計の確立と、プレス成形技術の改良により、従来比1.5倍の厚板鋼板の適用を可能にし、プーリ部の耐荷重性を2倍以上に向上させた。またプーリ部を従来品の約7割に低断面化することで、より外径の大きい軸受を組み合わせることができ、軸受寿命や負荷容量の向上も可能。さらに、軸受には同社が開発した高温特性や耐久性に優れるグリースを採用し、信頼性を確保している。
これらにより、鉄製切削プーリからの置換えを可能にすると同時に、高温下での耐久性や異物に対する耐摩耗性にも優れるため、使用環境が厳しく樹脂製プーリでは対応が困難な新興市場向け車両にも適用できる。
また、製造工程では、プレス金型の強度を上げるために熱処理条件を見直し破損を防止するとともに、成型時の金型への焼付きを防止する特殊表面処理を施すことで量産性を確保した。
同社では、これまでベルト用アイドラプーリに求められる軽量化や強度・信頼性の要求性能に応じ、樹脂製や鉄製のプーリ商品も取り揃えて提案してきた。今回の開発品により、これまで以上にニーズに合った商品提案が可能になり、すでに自動車メーカへの提案を開始しているという。