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日産自動車、ブラジルに自動車生産工場を開設

 日産自動車は、ブラジルのリオデジャネイロ州レゼンデに自動車生産工場を開設した。ブラジルでの市場シェア5%を達成し、同国で日系自動車ブランドのトップシェアを目指す。

 新工場ではすでに約1500名を雇用しているが、今後、従業員は、総勢2000名へと増える見込み。この工場は、板金プレスによる部品生産から車両組立までを行う。また、工場の年間の生産能力である車両20万台、エンジン20万基の性能を試験するテストコースなど、自動車生産のすべての工程を完備している。

 総合計88台のロボットは、より精度が求められる作業や、安全性あるいは人間工学上のリスクを伴う可能性のある作業を行う。また、多くの作業エリアでは、小型自動運転ロボットである無人搬送車(AGV)が、部品を積んだ小型カートを動かしているため、エンジンのついた搬送ベルトやチェーンで動くプラットフォームなどの必要がなく、より安全で静かなオペレーションが可能になっている。

 車両塗装工程は、現代的で持続可能な3ウェット水性塗装システムを採用している。ベースと光沢剤を下塗りのすぐ後に塗装することで、塗装プロセスを短くし、エネルギー消費を削減している。ロボットが塗料と溶媒の無駄を低減するカートリッジを使うことで、揮発性有機化合物(VOC)排出を減らし、より環境に配慮した塗装を行える。


 組立設備の改善やプロセス以外にも、建物そもそもの設計からインフラに至るまで考えて造られている。建物は、自然の照明および換気システムを採用しており、エネルギー消費を削減し、環境負荷を下げている。生産プロセスにおいては、再利用と適切な廃棄物処理のため、固形物をろ過し水を再利用している。これは、CO2排出量と生産によって作り出される揮発性有機化合物(VOC)の量を継続的に削減することを目的としている。

 工場の壁の外側では、「グリーンベルト」が工場施設全体を囲むように植えられる予定。これによってCO2排出と騒音の両方を低減する。「グリーンベルト」は、地域の自然環境を反映し、12エーカー以上にも及ぶものとなる。