NEDOの「産業技術実用化開発助成事業」の支援を受けたネクスト21、東京大学、理化学研究所などの研究チームは、世界初となる3Dプリンターで成形するカスタムメイド人工骨を開発。関連事業を通じて同技術のヒトでの有効性と安全性を確認し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への薬事承認(製造販売承認)申請を完了した。
開発した人工骨は、3Dプリンターでの成形により、骨内部構造の設計に加え、0.1mm単位での形状再現が可能。また、自骨への癒合も早く、時間経過で自骨に変化(骨置換)するのが特長。審査にかかる期間は10ヶ月程度で、2015年に実用化の予定。
カスタムメイド人工骨による骨欠損の治療
今回、研究チームが共同で開発したカスタムメイド人工骨は、成型方法、原材料、硬化処理方法が従来と異なり、3Dプリンターでの成形により、骨内部構造の設計、0.1mm単位の形状再現が可能となる。さらに3Dプリンターによる人工骨の成形は、熱処理が不要のため生理的に活性な特性をもち、自骨への癒合が早く、時間の経過とともに自骨へ変化(骨置換)するのが特長。
ネクスト21は、薬事承認(製造承認)の取得後、日本で製造したカスタムメイド人工骨の日本市場への普及とともにアジア市場への輸出を計画している。さらに、本成果は海外からの関心と臨床使用への要望も高く、現在、オランダやカナダの会社とライセンス契約締結に向け、現地のカスタムメイド医療機器の規制への対応や契約条件について交渉も始めている。
また、NEDOは引き続き、日本の産業競争力の強化に貢献するため、ハイリスクハイリターンな研究開発を産学官の英知を結集して支援していく。
人工骨成形3Dプリンターと製造設備