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NSK、マニピュレーションシステムの小型化、高精度化、操作性向上を実現

 日本精工(NSK)は、医療・バイオ業界や電子部品業界などのマイクロからナノオーダレベルの微小な対象物を操作する「マニピュレーションシステム」の小型化、高精度化、操作性などの性能向上を実現し、実用化した。

 マニピュレーションシステムは、細胞などの微小な試料を操作するツールが装着した三次元(XYZ)テーブルと顕微鏡から構成されており、医療・バイオ、半導体、電子業界などで幅広く使用されている。

 同社は、精密位置決め駆動技術に最新の画像処理技術を組み合わせることで、微細で高精度な操作を容易にしたマニピュレーションシステムを2008年に開発した。今回、実験動物中央研究所と協力して実験動物の顕微授精に成功し、同研究所に納入を行うこととなった。

 今回のシステムは従来システムから、繰り返し行う操作を自動化することで操作効率を向上、顕微授精操作の作業時間を約2/3に短縮することが可能になった。また、電装盤、コントローラを1台に集約して統合制御することで、設置面積を約半分の省スペース化を実現した。

 さらに、従来は顕微鏡を覗きながら微細な操作を行うため、操作者の負担が大きくなっていたが、今回の改良によりモニター上の画像を見ながら操作でき、室外からの遠隔操作も可能となり、操作者の負担が軽減できるようになった。このほか、多くの操作の電動化、操作するハンドルを減らし視認性が良いボタン操作に変えることで、熟練者の勘に頼らず、電子制御により簡単に操作できるようになったという。

 今後、バイオ産業や精密電子産業などの幅広いニーズに対応していく。

日本精工のマニピュレーションシステム