デンソーは、ディーゼルエンジンの排ガスの有害物質である窒素酸化物(NOx)の発生を抑えるEGR(Exhaust Gas Recirculation、排気再循環)システムの主要部品であるEGRバルブユニットを開発した。
今回開発したユニットは、世界で初めて吸気絞りバルブ(弁)とEGRバルブを一体化しており、従来と比べ、体積を半分に低減するとともに、構成部品数を削減しコスト低減を実現している。開発したユニットは今年から欧州で発売される乗用車に搭載される予定。
従来は、エンジンへの空気の流入量を調節する吸気絞りバルブと、排ガスの流入量を調節するEGRバルブは別々の部品として車両に搭載されていた。今回開発したユニットは、この二つの部品を統合することにより、ダクト(配管)の一体化やコネクター(配管接続用の部品)の削減などで体積を半分にしている。EGRシステムはスペースが限られるエンジン周りに搭載されるため、システムの小型化は自動車メーカーの設計自由度を高めることができるという。
また、従来はバルブの開閉を行うモーターとバルブの開閉角度を計測するセンサーを吸気絞りバルブとEGRバルブにそれぞれ一つ搭載する必要があったが、二つのバルブを統合することで、モーターとセンサーが各々一つに削減でき、低コスト化を実現している。
さらに、二つのバルブの結合には自由度の高いカムリンク方式を採用しており、カムプロフィール(結合部分の形状)のみを変更することで、排気量、出力等の違うエンジン要求に適応できるバリエーション対応が可能な仕様となっている。