三菱重工業、マカオの軌道系交通システム向け追加車両を48両受注

マカオ LRT (イメージ図）　三菱重工業は、伊藤忠商事と共同で、マカオ政府が建設を推進している軌道系交通システム（Macau Light Rapid Transit：LRT）向けの追加車両48両を受注し、契約を締結した。2011年3月にLRTの車両110両および機電システムを受注したのに次ぐもの。

　マカオLRTは、中国広東省珠海市と境を接するマカオ北部（出入国検査場）からタイパ島までの全長約21kmをゴムタイヤ方式の全自動無人運転車両（APM：Automated People Mover）で結ぶもの。

　受注したのは、追加車両48両のほか、車両増に伴うメンテナンス設備の追加および車両のメンテナンス（最大10年間）。2011年3月の契約調印以来プロジェクトが順調に進捗していることに加え、同社車両の品質などが高く評価されたことなどが成約につながったという。

　マカオでは観光・カジノ産業の隆盛を背景に観光客数が増加している。また、マカオ・香港・広東省を一体開発するための各種インフラ建設も進められており、LRT開業直後から多数の乗客が見込まれることを踏まえ、立ち上がりの輸送力増強および将来の路線拡張をにらんで今回の追加車両発注が行われた。

　APMは、完全自動運行システムで無人走行し、ゴムタイヤ走行方式を採用するため、運行が滑らかで騒音が低いという特長を持っている。同社はマカオ向けの合計158両のほか、都市交通向けとしては2010年に東京臨海新交通臨海線（ゆりかもめ）向けに新造車両108両を受注し、シンガポール向けでは2013年に追加受注した16両を含めて計57両などの実績がある。また、米国、香港、シンガポール、韓国、ドバイの空港向けにも納入実績があり、世界市場でトップを争うポジションにある。