三菱重工業は、世界的な風力発電機メーカーであるデンマークのヴェスタス社(Vestas Wind Systems A/S)と、洋上風力発電設備専業の新しい合弁会社を2014年3月末までに設立する。総合的な技術力に基づく高い信頼性を有する三菱重工と、この分野ですでに多くの実績を持つヴェスタス社がそれぞれの強みを活かし、シナジー効果を発揮することで、急成長が期待される洋上風力発電設備市場でグローバルリーダーとなるのが狙い。
新合弁会社は両社の洋上風力発電設備事業を分割・集約して発足し、その開発・設計・調達・製造から販売・アフターサービスまでを手掛ける。本社は デンマークのオーフス市。両社は同数の株式を保有し、初代の会長には和仁正文氏(三菱重工業 取締役常務執行役員原動機事業本部長)が、また、CEOにはイェンス・トムラップ氏(ヴェスタス社アジア・パシフィック&中国地域代表)が就任する。発足時の従業員数は300~400人の予定。
新合弁会社設立に当たり両社は、洋上風力発電設備に関する豊富な技術・ノウハウを新合弁会社に提供する。また、三菱重工業は、新合弁会社に1億ユーロを投入、さらに発足後の実績に基づいて2億ユーロを追加投入する計画で、2016年にはコールオプションを行使し、出資比率を当社51%、ヴェスタス社49%とする予定。
新合弁会社は、ヴェスタス社のギヤ式風力発電設備である3000kW機(V112)と8000 kW機(V164)をもって事業を開始する。さらに三菱重工業の新型油圧ドライブトレイン(DDT)を搭載した風力発電設備も、V164のプラットフォームを活かして早期に市場投入を図る予定。