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ジヤトコ、タイ初のCVT生産工場稼動

 ジヤトコのタイにおける生産会社ジヤトコ タイランド社は、新工場でのCVTの本格生産を7月に開始した。新工場は、メキシコ、中国に続くジヤトコの3番目の海外生産工場であり、小型車用の副変速機付CVT「Jatco CVT7」をタイ日産で生産されるマーチ(マイクラ)やシルフィ向けなどに生産する。投資額は約200億円で、生産能力は年間50万台。現時点での従業員数は約740人で、2014年度までに約1300人まで増員する予定。

 ジヤトコは、2011年6月にタイで初めてのCVTメーカーとして現地生産を発表、同月ジヤトコタイランドを設立し、新工場立ち上げに向けた準備を行い、現地採用の人材を日本で教育する独自の研修制度により立ち上げ当初からオペレーションも現地化を図り、7月より本格的な稼働を開始した。また、この工場では使用するアルミ材料を、隣接するサプライヤーからインゴット(固体)ではなく溶湯(液体)での納入とすることで再溶解の工程を廃止し、1350t/年のCO2削減を実現、環境にやさしいCVTを環境負荷の低い工場で生産することを目指している。

 秦 孝之は「ジヤトコタイランドで生産されるCVTは、クルマの燃費性能向上、CO2削減に大きく貢献し、環境対策の重要な技術の一つとして高く評価されています。製品普及による環境対応や、投資・雇用の創出などにより、今後もタイの自動車産業と地域経済の発展に貢献したい」と述べている。また、ジヤトコタイランドの平山智明社長は、「タイ初となるCVT工場を立ち上げることができ、関係者に感謝申し上げます。すでに現地の優秀な人財が数多く入社し彼らが日本で研修したことをタイで広めることにより、オペレーションレベルも高度化しています。今後は、生産性・品質・コストなどあらゆる面において、ジヤトコグローバル拠点の範となるような工場にしていきたい。」と述べた。

 ジヤトコは1999年に設立(1943年に創業)。2012年度の生産台数年間478万台、売上高5925億円のトランスミッション専業メーカーで、2012年のグローバルなCVT市場に占める同社のシェアは49%。同社は2018年度までに売上高1兆円の達成を目指しており、その時点での海外生産比率は2012年度の25%から約70%へ増加する見込み。 タイ工場はその重要な一翼を担うほか、メキシコ、中国の生産能力も拡大する予定。