旭硝子は、東南アジア地域における苛性ソーダや塩ビなどのクロール・アルカリ製品の需要拡大に対応するため、約400億円を投じてインドネシアの同社子会社アサヒマス・ケミカル社の生産能力を大幅に増強する。
同社は、今年3月に苛性ソーダの生産能力を約50万t/年に増強しているが、さらに塩ビを含む生産設備を追加増設し、2015年末までに稼働開始の予定。増設後の生産能力は、苛性ソーダは40%増の約70万t/年、塩ビ樹脂(PVC)はほぼ倍増の約55万t/年となる。
苛性ソーダは、アルミナ、紙・パルプ、レーヨンの生産や各種水処理などに用いられ、工業化の進展とともに需要が伸びる製品。また、汎用樹脂の代表品種であるPVCは、塩ビ配管など、インフラ・住宅設備に多く用いられ、経済成長に伴い需要が増加する特徴を持っている。
これらのクロール・アルカリ製品は、今後も発展が続く東南アジア地域において、年率約5%で需要が拡大すると見られ、2020年の市場規模は現在の約1.5倍に達する見込みだという。
アサヒマス・ケミカル社の外観