デンソーは、ディーゼルエンジン用の噴射ポンプの累計生産5千万台を達成したと発表した。噴射ポンプは、1957年3月の生産開始以来、56年4ヶ月間で累計生産台数5千万台を達成した。同社は、噴射ポンプをはじめとしたディーゼル関連製品を、日本、ハンガリー、タイ、中国で生産しており、国内17社、海外24社の顧客に供給している。
同社のディーゼルエンジン用噴射ポンプは、1957年の列型ポンプの生産から始まり、 1977年には分配型ポンプの生産を開始し、1995年には世界で初めて実用化に成功したコモンレールシステム用の噴射ポンプの量産を開始した。コモンレールシステムにおいては、その後、燃焼効率の向上につながる燃料噴射の高圧化・高精度化に取り組み、2002年には、当時、世界最高気圧となる1800気圧システム用噴射ポンプ、2007年に2000気圧システム用噴射ポンプ、今年2月に2500気圧システム用噴射ポンプの量産を開始し、今年7月に累計生産5千万台を達成した。また、このほどコモンレールシステム用のインジェクターの累計生産1億本も達成したという。
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べ、低回転から高いトルクを得られ、CO2排出量も少ないという特性がある。近年は、コモンレールシステムの進化により環境性能や静粛性が飛躍的に向上し、地球環境にやさしい先進的なエンジンとして「クリーンディーゼル」と呼ばれ、脚光を浴びている。
コモンレールシステムは、噴射ポンプで高圧化された燃料を、レールと呼ばれる蓄圧室に蓄え、インジェクターから燃焼室へ、電子制御により最適な量・タイミングで噴射することで、燃焼効率を高め、車両の燃費向上、排ガス浄化に寄与している。