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THK、風力発電機用の機械要素部品開発のため実証実験を開始

垂直軸型風車(左)、水平軸型風車(右)垂直軸型風車(左)、水平軸型風車(右) THK( http://www.thk.com )は、風力発電機用の機械要素部品を研究・開発するための実証実験機用風車として、THKインテックス仙台工場敷地内に垂直軸型風車(直径3m)2台と水平軸型風車(直径10m)1台を設置した。最適な部品ユニットの実現を目標に実用化に向けた開発を進める。

 現在日本国内には約1800基の風力発電装置(総設備容量=244万kW)が設置されている。一般的に風力発電装置には、垂直型と水平型の2種類がある。垂直型は、出力は比較的小さいものの、風向きに対する指向性がないためシンプルな構造となっており、水平型は、大出力のものが多く、風向きに正対するように制御するため最新のテクノロジーを集約した複雑な構造といった特性を持っている。

 同社では、垂直型風車に対し①弱い風力でも羽根が軽く回る、また風速に応じた最大電力を得られ発電効率を高める。②風車専用の回転ベアリングを組み込んだ支柱をユニット品として顧客に提供し、組み立てや調整といった工数軽減を図る、ことを目指している。また水平型風車に対しては、①ベアリングの代わりに部分的に取り外し可能な同社製品「Rガイド」を採用する、このため旋回軸で故障が起きた場合でも故障部分だけの取り替えで済み、交換作業の軽減を図る。②同社製品を各種組み合わせた構造とし、歯車同士のすきまが小さくてハイパワー、省エネルギー、レスポンスの良い電動アクチュエータ化を図る、等の狙いを決めて開発を行っている。

 実用化に向けた実証実験では、①垂直軸風車の低トルク化に向けた風車に最適なシャフトユニットの必要性②初期の回転開始をアシストし低風速下での発電を可能にするアシストスタータ付発電機の必要性③水平風車用のYaw軸(羽根を風の向きに正対させる)装置におけるギアレス化による故障リスクの軽減とギアレス化した装置の大容量化の必要性、などを見出しており、今後こらの改善点を実証実験に反映させ、実用化に向けた開発を進めていく。