ザインエレクトロニクスは、品質管理ノウハウをシステム化した製造工程監視システム「QuEST」を車載機器や産業機器などの高い品質水準が求められる市場に対して適用して本格稼動させた。
この製造工程監視システムQuEST(Quality Enhacement with Statistic Tool)は、製造委託先と取り決めたコントロールプランに基づき、製造委託先で取得された工程情報および品質情報をオンラインで受領し、工程毎の時系列傾向、品質分布、頻出度分布、品質回帰分析といった統計的処理を可能としている。QuESTは、日別、週別、月別に、担当部門の全関係者に配信する機能を備えており、製造に際して必須となる、ばらつき、安定性管理、工程能力などの基本的概念を全社で理解し、利用することにも活用している。
QuESTの活用を通じて、製造委託先と頻繁に情報交換および指示を行うことにより、安定して優れた品質の製品の製造が可能となる。工程内異常があった場合には、その原因特定と製造委託先への迅速な対策の指示にも効果を発揮する。また、より優れたコストパフォーマンスに改善するために、歩留を含めた製品特性とプロセス管理パラメータとの相関を製造委託先と共有し、目標とする品質とコストへ向けた管理を行っている。また、同社が分析した情報の一部を製造委託先にフィードバックすることにより、製造委託先との間で、長期的に安定したパートナーシップ関係を構築する。
さらに、新製品の開発に対しても、QuESTにより得られたデータを開発フローにフィードバックし、製造工程能力に応じた製品設計および工程設計を行うことができる。
同社の製造工程監視システムQuESTは、すでに2年間を超える活用実績があり、民生機器、事務機器、アミューズメント向けの同社製品の量産に活用してきたが、その間に製造工程監視システムとしてのバージョンアップを図り、今後同社が本格的に参入することとしている車載機器や他の産業機器といった市場に対しても、品質に優れた製品を安定的かつ継続的に提供できる情報インフラとして稼動させる。