三菱マテリアルツールズは、ステンレス鋼旋削加工用インサートシリーズに7°ポジと5°ポジの新インサートを追加、販売を開始した。
家庭用品、建築用部品、自動車部品、化学工業部品など、多様な産業に用いられているステンレス鋼は、一般に粘り強い、熱伝導率が低い、加工硬化性が高いといった特徴を有している。そのため、刃先の塑性変形による工具寿命低下が起こりやすい、溶着による異常損傷が生じやすい、切り込み境界摩耗により加工物にバリが発達しやすいなど、切削加工の難しい被削材と言える。
同社はこの問題に対し、2012年12月にステンレス鋼加工用新ブレーカLM/MM/RM/GMおよび新材種MC7015/MC7025(CVDコーテッド超硬材種)とMP7035(PVDコーテッド超硬材種)を発売している。今回は、より幅広い加工に対応すべく、MC7025(CVDコーテッド超硬材種)とVP15TF (PVDコーテッド超硬材種)に7°ポジインサートと5°ポジインサートを追加することにした。
シリーズの特徴は以下のとおり。
- ステンレス鋼旋削加工用CVDコーテッド超硬材種「MC7015/MC7025」とステンレス鋼旋削加工用PVDコーテッド超硬材種「MP7035」によりステンレス鋼の軽切削から荒切削領域まで安定した加工を実現。
- 7°/5°ポジインサート仕上げ切削用新ブレーカFMブレーカを商品化。シャープな切れ刃とブレーカ形状により良好な切りくず処理と仕上げ面精度を実現。
- 7°/5°ポジインサート軽切削用新ブレーカLMブレーカを商品化。大きなすくい角により切りくず流れを最適化し溶着を抑制。良好な仕上げ面を実現。
- 7°/5°ポジインサート中切削用新ブレーカMMブレーカを商品化。フラットランド刃型と大きなすくい角により耐摩耗性と耐欠損性を両立し高能率加工が可能。