カーボンナノホーン NECは、カーボンナノチューブ(CNT)の一種であるカーボンナノホーンをの販売を開始した。カーボンナノホーンは、NECの飯島澄男特別主席研究員らのグループが1998年に発見した。直径2~5nm(ナノメートル)、長さ40~50nmの形状をもち(図)、数千本集まり直径100nm程度の球形の集合体を形成しており、単位質量当たりの表面積が広く、分散しやすく、導電率が高いといった様々な特性を有している。
カーボンナノホーンは、蓄電を行うキャパシタ、圧力や電力でスイッチのオンオフを行う等の機能を持たせるアクチュエータ、燃料電池等のエネルギー関連から、 抗がん剤など薬を内包させ、患部へ直接薬を投与するドラッグデリバリーシステムの医療関連まで幅広い分野へ適用できる素材として期待されている。
NECは、純度95%という高純度のカーボンナノホーンを1日1kg以上量産可能な技術開発および装置の稼働実証に成功し、販売を本格化する。この素材を国内外の企業、大学、研究機関などに拡販するとともに共同で用途開拓を進めることで、今後3年間で20の企業・団体への提供を目指す。