神戸製鋼所、三井物産、豊田通商が出資する自動車サスペンション用アルミ鍛造部品製造合弁会社「コウベ・アルミナム・オートモーティブ・プロダクツ社(KAAP、ケンタッキー州ボーリンググリーン市)は、北米における自動車サスペンション用アルミ鍛造部品需要の拡大に対応するため、溶解鋳造ラインやメカニカル鍛造プレスなどの一貫生産設備を増強することを決定した。KAAPによる設備投資額は約6600万米ドル(約52億円)で、2014年春の稼動開始を目指して今春に着工する。
KAAPは、北米における自動車サスペンション用アルミ鍛造部品の製造販売拠点として2003年5月に設立、2005年より生産を開始し、自動車の軽量化ニーズとともに拡大するアルミサスペンション需要に対応するため、順次設備増強を行ってきた。現在は鍛造プレスが4機の体制で操業しており、月平均で約27万本を生産している。
北米における自動車生産は、リーマンショック後に一時低迷したものの、2010年以降は順調に回復を辿っており、引き続き増加が見込まれる。また、北米市場では、燃費規制が今後大幅に強化されることから、自動車の軽量化ニーズは特に高まっており、アルミサスペンション需要の拡大が期待できるという。
KAAPが得意とする中/大型の自動車サスペンション用アルミ鍛造部品については、北米で大きなシェアを有しており、設備増強により拡大する需要を確実に取り込めることから、新たに鋳造ラインを1ラインおよび鍛造プレスを2機導入し、生産能力を拡大することを決定した。