三菱マテリアルは、中央研究所分析評価研究部を9月にさいたま市大宮区の専用研究棟に移設し、本格的に業務を開始した。
中央研究所分析評価研究部は、同社設立以来、湿式化学分析技術を着実に維持・発展させてきた伝統ある研究開発組織であり、今回の移設では、最近注目されている無機-有機複合素材に対する解析能力向上を目的に新たな設備導入なども行い、より高精度な有機物解析を行う体制を整備した。また、専用研究棟は、分析設備を安全に維持・運用するため、大地震にも耐え得る免震構造も有している。
さらに今後は、グロー放電質量分析装置や誘導結合プラズマ-高分解能質量分析装置をはじめとする大型の分析設備を本年度中に更新増強する予定であり、分析評価の高感度化・迅速化を図っていく計画。
このほか、インターネットを通じた電子顕微鏡観察像のリアルタイム報告などのweb立会分析機能も活用しつつ、機器分析を担う中央研究所(茨城県那珂市)材料解析研究部との連携や、三菱マテリアルグループ各社の分析評価部門との技術交流なども促進し、同社グループにおける分析評価技術の中枢としての機能を一層強化していく。
三菱マテリアルでは「今後、日本工業規格(JIS)をはじめとする分析規格制定や国際標準化機構(ISO)の規格制定などにも積極的に関与し、素材分析ではトップクラスの技術を駆使することで、分析評価面から日本の非鉄金属産業の発展に貢献する」としている。