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第10回新機械振興賞、富士重などが「ステレオカメラによる運転支援システム」で経産大臣賞

 機械振興協会( http://www.tri.jspmi.or.jp )はこのほど、機械工業にかかわる優秀な研究開発およびその成果の実用化によって機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業などを表彰する「第10回新機械振興賞」を発表、富士重工業と日立オートモーティブシステムズの「ステレオカメラによる運転支援システム」が経済産業大臣賞を受賞した。

ステレオカメラステレオカメラ 両社は、ステレオカメラの認識性能の大幅向上とシステムの統合化を図り、15km/h未満でも作動する衝突被害軽減ブレーキや、ペダルの踏み間違いによる誤発進を抑制するアクセル制御、0~100km/hの広車速域で車間と速度制御するクルーズコントロールなどを実現し、従来の運転支援装置では苦手であった市街地走行や、車両のみならず歩行者、自転車との衝突など、より広い範囲の交通環境下でも衝突の回避や被害を軽減できる運転支援装置を開発した。

 また中小企業庁長官賞は、旭サナックの「高機能型二液塗装システム」が受賞。これまでの混合装置では、水性二液ウレタン塗料のような難混合性塗料を確実に混合できなかった。同社では、この問題を解決するために、動的混合装置(パワーミキサ)を開発。このパワーミキサはエアタービンの回転力を磁力でロータに伝達するマグネットカップリング方式で、主剤と硬化剤の二液を従来のスタティックミキサより細かく混合できる。その結果、塗料ホースの連続経路を通じて塗装ガンに圧送して塗装する、二液塗装システムを開発できたという。

 機械振興協会会長賞は、以下の6件が受賞した。エフ・イー「多孔ドラム式根菜類皮剥き機の開発」、兼松エンジニアリング、高知県工業技術センター「高効率マイクロ波減圧精油抽出装置」、浜松ホトニクス「レーザ集光性能を高めたステルスダイシング装置」、三浦工業、大阪大学医学部附属病院「医療用減圧沸騰式洗浄装置」、三菱重工業、京都大学、(公益財)先端医療振興財団、京都医療科学大学「動体追尾放射線治療装置」、ムラタ溶研「薄板突き合わせ自動円筒溶接装置」。

 表彰式は、平成25年1月24日(木)午後3時より機械振興会館ホールで行われる。