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ホンダ、小型ビジネスジェット機HondaJetの量産1号機の生産を開始

HondaJetの生産ラインHondaJetの生産ライン ホンダの航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company 以下、HACI)は、米国フロリダ州オーランドで開催されている世界最大のビジネス航空ショーであるナショナル ビジネス アビエーション アソシエーション2012において、小型ビジネスジェット機HondaJetの量産1号機の生産開始および開発の進捗状況、販売網の強化について発表した。

 HACIの本社に隣接したHondaJetの生産工場では、量産機の主要部品の納入が開始され、1号機の機体最終組立作業が本格的に稼働し始めた。HondaJetの量産ラインには、携帯型端末を用いた組立工程管理用のITシステム、機体塗装の品質向上と標準化を同時に実現するための多種塗料混合システム、組立部品を各工程で最適なタイミングで所定場所に運搬するための自動部品運搬システムなど、高い品質と生産性を実現するためのさまざまな最新技術が導入されている。今後、HondaJetの量産体制は段階的に拡充していく予定。

 また、米国連邦航空局と欧州航空安全局の型式認定に向けたHondaJetの開発に関しては、これまでに終極荷重試験、座席衝突試験、ウインドシールドへの鳥衝突試験、着氷試験、夜間飛行試験など各種の試験が順調に進められてきた。10月には、米国アリゾナ州ユマ市において、高温環境下での飛行試験が行われた。この試験では、高温環境下における燃料システムの機能、複合材製胴体の耐高温環境性能、推進系補機の冷却性能などを実証した。

 アリゾナ州を含む複数の遠隔地における飛行試験では、自動追尾テレメトリーアンテナおよびリアルタイムデータ解析システムを搭載した独自開発の移動管制車両を導入した。移動管制車両の通信可能距離は約370kmに達し、4000チャンネルを超えるHondaJetの飛行試験データをリアルタイムで受信して分析することができる。これによって、遠隔地においてもHACI本社の飛行試験管制室と同等レベルの飛行試験を行うことが可能となっている。

既存の4機の試験機に加えて地上試験を行うための6号機が投入されており、さらに来年初めには機能および信頼性試験(Function & Reliability試験)に用いられる5号機が飛行試験を開始する予定。