サバンナ工場から出荷されるガスタービン初号機 三菱重工業は、ガスタービンの米国生産拠点であるサバンナ工場(ジョージア州)から、現地生産の初号機となるM501GAC形ガスタービンを出荷した。
同国のエネルギー大手であるドミニオン社(Dominion Resources, Inc.)グループ向けに納入するもので、同工場はこれにより、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の需要拡大が期待される北米での生産を軌道に乗せ、三菱重工業の原動機事業の一翼を本格的に担っていくこととなる。
サバンナ工場は、米国での三菱重工業の原動機事業を担うMitsubishi Power Systems Americas, Inc.(MPSA、本社フロリダ州)が建設・運営する。 同工場での生産第一号となった今回のM501GAC形ガスタービンは、ドミニオン社傘下のヴァージニア・エレクトリック アンド パワー社(Virginia Electric and Power Company:VEPCO)がヴァージニア州に建設・運営するウォーレンカウンティー(Warren County)発電所向けで、M501GAC形ガスタービン3基、蒸気タービン1基などで構成するGTCC発電設備の主要機器の一つ。残り2基のガスタービンも同工場から順次出荷される。
サバンナ工場はガスタービン、蒸気タービンの中核部品の製造や本体の組立、ローターをはじめとする大物部品の補修・改良などを手掛ける。2010年春から順次建設が進められたローター・サービス工場、ガスタービン本体組立工場がすでに竣工して稼働しているほか、今春に着工したローター加工工場も、三菱重工業のガスタービン製造拠点である高砂製作所(兵庫県高砂市)と同様の専用生産ラインを導入して来秋には竣工する計画で、世界2極生産による三菱重工業のガスタービン年間生産約50基体制が整うこととなる。
三菱重工業はガスタービンの世界シェア30%超を目指している。サバンナ工場からの生産・出荷はその目標達成に向けた動きの一環であり、日米2極生産拠点を確立することにより、北・中南米はもちろん全世界で、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に貢献する天然ガス焚きGTCC発電設備の受注活動をさらに積極的に展開していく。