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産総研、光で損傷を修復できるゲル材料ーコーティング塗料応用に期待

 産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )ナノシステム研究部門 スマートマテリアルグループ 吉田 勝研究グループ長と山本 貴広 研究員は、光照射で損傷を修復できるゲル材料(高分子微粒子/液晶複合ゲル)を開発した。

 今回開発したゲル材料は、ゲル中にある光応答性材料の光異性化反応によるゾル-ゲル状態の光制御を利用して、微小な損傷であれば、短時間で修復できる。また、この損傷修復は繰り返し可能である。さらに、大きなせん断歪みによってゾル状態へ転移しても、歪みを除くと高速でゲル状態へと回復する。

 材料のゾル-ゲル状態を光で制御できる技術は材料基盤技術として期待できる。このような材料を、光で損傷修復可能なコーティング塗料などへと応用すれば、製品の耐久性向上や長寿命化が可能となり、省資源・低環境負荷につながることが期待される。

ゾル-ゲル光転移を利用した光損傷修復の模式図: (a)光照射前(損傷あり、ゲル状態)、(b)紫外光照射後(損傷なし、ゾル状態)、 (c)可視光照射後(損傷なし、ゲル状態)ゾル-ゲル光転移を利用した光損傷修復の模式図: (a)光照射前(損傷あり、ゲル状態)、(b)紫外光照射後(損傷なし、ゾル状態)、 (c)可視光照射後(損傷なし、ゲル状態)