カネカ( http://www.kaneka.co.jp )は、ポリイミドフィルム(PIフィルム)事業の競争力強化、事業拡大を目指し、新会社「Kaneka Apical Malaysia Sdn.Bhd」を2月に設立し、カネカマレーシアの敷地内に新工場を新設する。
新工場は、PIフィルムの主要グレード「アピカルNPI」を中心に生産を行なう。稼動時期は2013年10月を予定しており、年産約600tの能力を持つ。今回の増強により、日本・米国・マレーシアでの合計生産能力を3200tまで引き上げる。その後、2016年までにさらなる能力増強も計画しており、投資額は合計で約80億円を見込んでいる。
PIフィルムは、フレキシブルプリント配線板(FPC)用途に広く使用されており、近年のスマートフォンやタブレットPCの普及に伴い、さらなる需要の拡大が見込まれ、これに対応していく。
マレーシアでの工場新設決定の理由は①日本、中国、韓国等と自由貿易協定(FTA)を締結しており交易面で優位性がある。②天然ガス産出国であり、ユーティリティの安定供給、調達コストが相対的に安い。③すでに操業を行なっているカネカマレーシア内に建設することで用地取得など投資額を抑えることができるなど。
ポリイミドフィルムは、優れた耐熱性、耐寒性を有する高機能性フィルムで、全需要の約70%を占めるフレキシブル配線板用途の他、鉄道車両用モーターや航空機電線の絶縁用途、情報衛星などの宇宙用途にも幅広く用いられている。