帝人、アメリカで熱可塑性CFRP製品の用途開発を加速

TCACの外観　帝人（ http://www.teijin.co.jp ）は、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料（CFRP）によるコンポジット製品の事業化を加速するため、マーケティングおよび用途開発を担う拠点として、昨年12月、アメリカに「Teijin Advanced Composites America Inc.（TACA）」を設立した。その中で、自動車構造材などを中心に本格的な用途開発を推進する組織として、このほど「Teijin Composites Application Center（帝人複合材料用途開発センター、「TCAC」）」を開設した。TCACは、４月１日よりアメリカでの用途開発活動を展開していくこととしており、昨年12月に締結したゼネラルモーターズとの共同開発にも取り組む。

　帝人は、熱可塑性CFRPによるコンポジット製品を1分以内で成形する量産技術を確立しており、その技術と独自のCFRP接合技術を活用し、極限まで車体骨格を軽量化したオール熱可塑性CFRPのコンセプトカーも製作している。

　今後は複合材料開発センター(御殿場)を研究開発の中核としながら、松山事業所内に建設中の熱可塑性CFRPの連続生産パイロットプラントや、TCACを有機的に連携させていくことでグローバル市場における自動車メーカーとの取り組みを加速させていく。

　同社は、今後急成長が予想される自動車用途および一般産業用途におけるマーケット開拓を強力に推進し、早期にコンポジット製品事業を本格展開する。2020年には1500～2000億円の売り上げを目指す。