信越化学、中国にレア・アースマグネットの中間原料の製造拠点を設立

　信越化学工業（ http://www.shinetsu.co.jp ）は、中国福建省にレア・アースマグネットの中間原料であるマグネット用合金を製造する子会社「信越（長汀）科技有限公司」を設立した。投資額は15億円、生産能力は年産3000tで、2013年1月の操業開始を予定している。

　レア・アースマグネットは、ハイブリッド車をはじめ、省エネルギー型エアコン等の家電、パーソナルコンピューターのハードディスクドライブ（HDD）等の各種モータ用で使われており、今後さらに電気自動車や風力発電等省エネ関連で需要の伸びが期待されている。

　レア・アースマグネットの原材料となるレア・アースの調達の多角化を図るため、同社では世界各地の新規鉱山開発への支援や提携を進めている。今回その一環として、レア・アース資源の豊富な中国で、レア・アースマグネットの中間原料となるレア・アース鉄ボロン合金の製造を行うこととした。

　信越化学は、自社で開発した新製法「粒界拡散法」によるジスプロシム使用量の半減や、リサイクルによるレア・アースの有効利用などと併せ、レア・アース原料の調達の多角化を進めている。