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産総研、鏡と透明状態が切り替わる調光ミラーデバイスの高効率作製技術を開発

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 産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )は、調光ミラーデバイスの低コスト化、大型化、低電圧駆動に繋がる新しい作製技術を開発した。
開発した調光ミラーデバイスの外観の変化(左:鏡状態、右:透明状態)開発した調光ミラーデバイスの外観の変化(左:鏡状態、右:透明状態)
 調光ミラーデバイスはエレクトロクロミズムの原理により、数ボルトの電圧をかけることで鏡状態と透明状態を切り替えられるデバイスである。今回開発した技術は、調光ミラー層やイオン貯蔵層など各種機能層を透明基材上に形成した後、それらの透明基材を接着性電解質で貼り合わせて調光ミラーデバイスを作製する技術である。1枚の透明基材上に順次、各種機能層を形成していく従来のデバイス作製法と比べて、生産性、低コスト化、安定性、大型化の点で優れている。また、本技術が開発されたことにより、調光ミラーデバイスの作製方法の選択性も広がったため、用途や適用範囲を飛躍的に拡大することができる。

 調光ミラーデバイスは電気のみで駆動するため、住宅・ビル、自動車・電車などの省エネルギー用窓だけでなく、電子・光学デバイスや玩具、既存製品への付加技術など幅広い応用が期待できる。今後は、想定される応用に対してさまざまな仕様に対応できるよう、さらなる柔軟な作製技術の開発を目指す。また、高耐久性化や光学特性可変能の選択性付与など多様な調光性能の発現にも取り組む予定である。