島津製作所( http://www.shimadzu.co.jp )は、米国・ボーイング社製の航空機に搭載される構成品2製品を受注したと発表した。
今回受注したのは、民間航空機向けのフライトコントロール系統では新規分野となる787型機用水平尾翼水平安定板作動アクチュエータおよび、737/747/767型機用水平尾翼昇降舵フィールアクチュエータ。
787型機用水平尾翼水平安定板作動アクチュエータ(Horizontal Stabilizer Trim Actuator)は、水平尾翼の水平安定板部分を上下に動かすためのアクチュエータで、機体最後部に装着し、縦方向の直線運動を水平安定板の可動部位に伝達して、水平安定板を動作させるもの。ボーイング787型機の製造出荷が本格的に始まる2012年度第1四半期に初回製品の納入を予定しており、2021年までに総額で50億円を越える売上を見込んでいる。
ボーイング737/747/767型機の飛行制御システムの構成品である水平尾翼昇降舵フィールアクチュエータ(Feel Actuator)は、パイロットが操縦桿を操作する際に実舵面上の負荷を体感できるようにするためのアクチュエータ。パイロットが昇降舵を作動させるために操縦桿を作動させた際に、昇降舵の作動に対して機体速度や水平安定板の角度を把握し、油圧コントローラで制御された油圧によって、舵面の空力負荷が高い時には高油圧でピストンを動かし、舵面の空力負荷が低い時には低油圧でピストンを動かす働きをする機構。
同社は1955年に航空機器事業を再開して以来、米国航空機関連企業との技術ライセンスを交えて、数多くの航空機搭載機器を開発・生産してきた。民間航空機の分野では、世界最大の航空機器メーカーであるボーイング社の737型機用品目の生産を1976年から開始し、その後、ボーイング747/757/767/777用のギアボックス、空気系統チェックバルブ、電気機械式アクチュエータなど、ドア、脚・翼用機器などの品目を納入して、部品メーカーとしての地歩を築いてきた。2006年には、ボーイング社747-8型機の後縁フラップ駆動システム主要構成品目群(Trailing Edge Flap Drive System Control Components)をシステムとして受注している。