三菱重工業は、米国ジョージア州サバンナにガスタービンの中核部品であるローター加工工場を建設すると発表した。2012年前半に着工し、2013年秋に竣工する計画。同じ敷地内で先行した燃焼器、ローター・サービス、ガスタービン組立の各工場建設に続くもので、これにより、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の需要の急拡大が予想される北米で、為替の変動を回避しつつ原動機事業の一層の拡大を図っていく。
ローター加工工場は、サバンナ工場敷地(約40万m2)内の他工場と同様、同社原動機事業の米国拠点であるMitsubishi Power Systems Americas, Inc.(MPSA、本社フロリダ州)が建設・運営する。建屋面積は約6,500m2。
新工場は、同社のガスタービン主力製造拠点である高砂製作所(兵庫県高砂市)と同様の専用生産ラインを導入して、ローターの仕上げ加工・最終組立までを一貫で行う。生産能力は年間12台。この工場が竣工・稼動すれば、2010年以来取り組んできた同社ガスタービンの世界2極生産体制づくりに一段落がつき、日米合計の生産能力約50基体制が整うこととなる。
サバンナ工場内では、今春に生産を開始したガスタービン燃焼器工場のほか、2010年4月着工のローター・サービス工場や、2011年4月着工のガスタービン本体組立工場の建設が進められている。今回のローター加工工場建設を含むこれら一連の投資により同社は、ガスタービン、蒸気タービンの中核部品の製造や本体の組立、ローターをはじめとする大物部品の補修・改良、さらには、原子力発電設備のアフターサービスまで、幅広い生産・サービス体制を整え、拡大する北米市場でのプレゼンス向上を目指していく。
ローターはガスタービンの中核をなす回転体で、ローター加工工場では、ローター部品の加工を実施し、翼を植えてガスタービン本体の組立工場に送り出す。