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ユニチカ、耐熱性に優れる生物資源由来ポリアミドを開発

 ユニチカは、バイオマス由来原料を使用した世界最高レベル(同社)の性能を有する耐熱ポリアミド樹脂「XecoT/ゼコット」の新規製造技術の開発に成功するとともに、物性・品質面でも競合品に対する優位性を確認したと発表した。これにより、2012年夏までに中量産設備を導入し、同樹脂の製造販売に着手する。

 今回、同社が開発した耐熱ポリアミド樹脂は、熱可塑性耐熱ポリアミドの中においては、耐熱性、結晶性、低吸水性、耐薬品性、耐摩耗性、電気特性、高品質のいずれをとっても世界最高レベルの性能を有するため、各種電気・電子部品、自動車用部品、耐熱フィルム、耐熱繊維等への幅広い用途展開が期待できるという。

 同樹脂の主な特徴は以下のとおり。


  1. 高耐熱性・高結晶性
    融点が310℃以上と高く、また結晶性も非常に高いため、耐熱性が極めて優れている。30%ガラス繊維強化品の荷重たわみ温度(1.8MPa)は300℃以上に達する。

  2. 低吸水性
    耐熱ポリアミド樹脂の中でも最高レベルの低吸水性を有している。

  3. 耐薬品性
    耐熱ポリアミド樹脂の中でも最も耐薬品性に優れており、ガソリン等に対するバリア性も優れている。

  4. 耐摩耗性
    耐熱ポリアミド樹脂の中でも最も優れた耐摩耗性により、各種摺動部品への適用が期待される。

  5. 電気特性
    電気絶縁性や電気特性にも優れている。

  6. 高品質
    独自製造プロセスに由来して、ゲル化原因となる分岐構造が他の耐熱ポリアミド樹脂と比べて非常に少なくなっている。したがって、射出成型用樹脂のみならず、繊維やフィルム等への展開も期待される。

  7. バイオマス由来
    非可食で再生可能なバイオマス由来原料を用いており、バイオマス度は50%以上となっている。このため地球温暖化や石油資源枯渇といった問題を解決する一助となる。




 今回開発した耐熱ポリアミド樹脂は、上記の様々な特長を活かして、LEDリフレクタ、SMTコネクタ等をはじめ、自動車用部品、電気・電子材料用部品、耐熱フィルム、耐熱繊維等の幅広い用途への展開が期待されているという。