川崎重工業( http://www.khi.co.jp )は、中国における油圧機器製造拠点である川崎精密機械(蘇州)有限公司において、建設機械用油圧機器の新工場を完成させ、生産を開始した。
同社は中国での油圧機器事業強化のため、2005年12月に100%出資子会社の川崎精密機械(蘇州)有限公司を設立し、中国国内の油圧ショベルメーカー各社へ油圧機器を供給している。今回の新工場は、中国市場で大幅に需要が増加している建設機械用油圧ポンプ・モータについて、顧客からの増産要求に応えることを目的としたもの。
新工場は、敷地41500m2、工場建屋135002の面積を有する建設機械用油圧機器の生産工場。新工場では、油圧機器の生産ラインを旧工場から移設するとともに、能力増強のための新設備を追加導入し、同社の西神戸工場(神戸市西区)よりコアパーツの供給を受け油圧機器の組立生産を行う。これにより、新工場の生産能力は現在の約2倍にあたる年産11万台に増強される。
中国の建設機械メーカーはインフラ需要の急増を受け、特に油圧ショベルの増産を図っており、同時に中国での建設機械用油圧機器の需要も短期的な変動はあるものの拡大基調にあるという。中国の油圧ショベル市場は世界最大規模に達しており、今後も開発の遅れている東北部や内陸部を発展させるべく水利、ガス、電力、交通等の旺盛な国家インフラ整備が見込まれ、中長期的にはさらなる伸長が期待されている。