三菱自動車は、燃費向上の新技術として、シンプルな構造の新しい可変動弁機構(連続可変バルブタイミング機構「MIVEC」)を新たに採用した、軽量・コンパクトな新型1.8Lガソリンエンジン「4J10型」を開発した。
このエンジンは、10月20日より一部改良して発売するRVRなどの3車種に搭載され、各車で約12%の燃費向上(10・15モード燃料消費率で比較)を実現し、平成22年度燃費基準+25%を達成してエコカー減税(75%軽減)に適合した。
搭載する4J10型MIVECエンジン(1.8L 4気筒 SOHC16バルブ)には、吸気側のバルブリフト量、開弁期間、開閉タイミングを連続的に可変させる新開発のMIVEC機構を採用し、さらに燃焼安定性の向上や、ピストンの摩擦抵抗の低減などによって、従来の4B10型MIVECエンジン(1.8L 4気筒 DOHC16バルブ)と同じ動力性能(出力・トルク)を確保しつつ、燃費の向上を実現した。
同社は、低速~高速域まで全域でのエンジンの高効率化を目指し、可変バルブタイミング機構「MIVEC」を1992年に実用化、これまで多くのエンジンにMIVEC機構を採用しており、環境性能(燃費、排出ガス)と、動力性能の両立に大きく寄与している。これまでは、エンジン回転数に応じて、バルブリフト量と開弁期間を切り替える方式と、開閉タイミングを連続的に可変する方式(4B10型にはこちらを採用)の、大きく分けて2種類のMIVEC機構を展開してきた。
今回新たに開発したMIVEC機構は、吸気側のバルブリフト量、開弁期間、開閉タイミングを、単一の機構で機械的に連動する構造とすることで、同時かつ連続的に可変させることを可能とし、より理想的なバルブ制御を実現。吸入空気量を、従来のスロットルバルブだけでなく、吸気バルブの制御によっても調整することで、吸入時の損失(ポンピングロス)を低減し、燃費を向上させることができた。また、SOHC構造に適用することができるため、部品削減によるシステムの軽量化・コンパクト化も同時に実現した。