ボストン・サイエンティフィック ジャパン( http://www.bostonscientific.jp )は、ステント素材にプラチナ合金を採用した新たな薬剤溶出型ステント「タクサス エレメント」の販売を開始した。
同社は、冠動脈疾患治療における冠動脈ステント留置術の治療精度を向上させるために、「タクサス エレメント」ステントシステムに冠動脈ステント用としては初めてとなる自社開発のプラチナ合金を採用、さらに、新たなステントデザインを開発した。
これまでは、ステント材質に316ステンレススチールやコバルトクロム等の工業用の金属材質を医療用に転用していたが、同社はさらなる視認性の向上と、ステントに必要とされる強さと柔軟性の両方の特長を兼ね備えたステントを求めて、金属材質から開発をすることとした。「タクサス エレメント」ステントシステムは、新開発のプラチナ合金と、密でヘリカルな新しいステントデザインを特長とし、その組み合わせにより、より高い拡張力と血管への追従性を発揮する。ステントの厚さは0.0032インチ(0.081mm)と現在市場に出ている製品の中で最も薄い水準を実現しているものの、密度の高いプラチナを金属材質として採用していることからX線下での視認性が向上している。加えて新しく採用したステントデザインによって均一な病変部の被覆と薬剤送達が期待される。さらに新しく採用された先進的なデリバリーシステムにより、困難な病変部にも正確にステントを送達することができる。
同ステントシステムは、薬剤に世界で実績あるパクリタキセルを採用している。また、血管径2.50mmから3.50mm、長さ12mmから32mmまでの広範囲な18バリエーションを備え、豊富な選択肢を医師および患者に提供する。
アメリカにおいて同ステントシステムは「アイオン」ステントシステムとして販売されているが、今年5月の販売開始以来、臨床における高い評価を得ており、現在、アメリカの薬剤溶出ステント市場において約20%のシェアを獲得している。