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神戸製鋼所、高効率・小型バイナリー発電システムを開発

神戸製鋼所「マイクロバイナリー」 神戸製鋼所( http://www.kobelco.co.jp )は、地熱や工場排熱等を利用して発電する、高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」(型番:MB-70H)を開発、10月より販売を開始する。システムの最大発電端出力は70kWで、100kW以下クラスでは、国産初の商品となる。本体ユニット価格は2,500万円で、今後機種を拡充し、2015年度迄に年間売上高30億円を目指す。

 バイナリー発電は、加熱源により沸点の低い作動媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回し発電するシステムで、低位の産業排熱や地熱等を利用するもの。地球温暖化対策や東日本大震災後の電力需給問題から、再生可能エネルギーや未利用低位エネルギーの活用による省エネや発電のニーズが高まっており、さらに再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入が決定したことや、小型バイナリー発電設備の電気事業法に係る規制緩和が検討されていることにより、簡易型バイナリー発電装置の普及が期待されている。

 同システムは、簡易型バイナリー発電装置を世界初の半密閉型スクリュタービン方式で商品化したもので、70~95℃の温水、もしくは温水に変換出来る廃液やガスなどの熱源から発電するオーガニックランキンサイクル方式(通常の蒸気タービンの動作を表すランキンサイクルに、作動媒体として水の代わりに有機媒体を用いたサイクル)のバイナリー発電システム。

 このシステムにより、100℃以下の工場等の排温水に加え、温泉水や地熱資源、バイオマス由来の熱源、太陽熱などの、未利用の再生可能エネルギーを利用した小規模・分散型のグリーン電力発電システムの構築が可能。また70kW発電ユニットを基本モジュールとして、熱源条件や設置環境に応じた最適なシステム設計が可能で、メンテンナンス時の稼動ロスを最小限に留めることが出来る。

 性能面では、同社で長年培われた圧縮機、冷凍機の技術をベースに開発したスクリュタービンを採用しており、熱源変動に強く、高効率な発電性能を有している。また、スクリュタービンと同期発電機ロータとを一軸一体構造とすることで、軸シールのない半密閉スクリュタービン方式のバイナリー発電システムを世界で初めて実用化し、作動媒体や潤滑油が漏れない構造により、長期の安定運転が可能。