三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、韓国の斗山重工業と共同で、同国の独立系電力事業者であるポチョンパワー(Pocheon Power Co., Ltd.)向け天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備(2系列)の主要機器を受注、併せて三菱重工業は、長期メンテナンス契約およびポチョンパワーへの出資契約も締結した。
主要機器は建設プロジェクトを担当する大林産業(Daelim Industrial Co., Ltd.)から受注したもので、M501GACガスタービン4基と発電機4基。三菱重工業のポチョンパワーへの出資比率は6.7%。
GTCC発電設備の出力は韓国最大規模の約160万kW。首都ソウルから北東約50kmの包川市に建設されるもので、首都圏向け電力供給の一翼を担うこととなる。発電設備全体の完成は、1系列目が2014年5月末、2系列目が2014年11月末の予定。
受注した主要機器のうち、三菱重工業はガスタービン3基を製作・供給し、技術者も派遣する。また、斗山重工業は、三菱重工業からの技術供与を受けてガスタービン1基と関連する付属機器の製作を手掛け、発電機4基は三菱電機が担当する。納期は2012年7~11月。
また、長期メンテナンス契約は三菱重工業とポチョンパワーとの間で締結されたもので、期間は16年間。ガスタービン4基すべての保守・管理を行い、必要に応じて高温部品の交換や補修などを手掛ける。
ポチョンパワーには大林産業に加え、泰栄建設、韓国産業銀行系列出資ファンドおよび三菱重工業が新たな出資者として加わることとなった。また、大林産業は韓国の建設大手で、土木、橋梁、高速道路、トンネル、港湾、発電施設などを手掛けるほか、石油関連製品などを製造する。
斗山重工業は、発電、海水淡水化、鋳鍛造、建設、搬送機器、再生エネルギーの6つの分野を手掛ける韓国を代表する重工業企業。三菱重工業は2007年以降、同社に対し大型ガスタービン(M501G、M701F、M501F、M701DA)の技術を供与しているが、今回受注した新鋭機種であるM501GACはその対象に含まれていなかったため、これを機に、新たなライセンス契約を締結するとともに、高温部品を供給することとなった。
GTCC発電設備は、ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電する方式。ガスタービン、蒸気タービン、発電機、排熱回収ボイラー、補機などで構成され、エネルギーの有効利用とCO2の排出削減を実現して、省エネルギーだけでなく、環境保全にも大きく貢献する。三菱重工業はGTCCおよびその中核機器であるガスタービンを国内外で多数納入し、技術・実績両面で広く市場の信用を獲得している。