日本新金属( http://www.jnm.co.jp )は、同社秋田工場内に新たに建設したタングステン粉末の生産棟を完成させ、本年2月より炭化タングステン粉末の生産を開始したと発表した。
同工場は、国内で唯一のタングステン製錬工場を有しており、炭化タングステン(WC)の中間原料であるパラタングステン酸アンモニウム(APT)粉末を製造している。今回の建設工事では、APT粉末の製造ラインに加え、従来本社工場で行っていたAPT粉末からWC粉末への製造ラインもタングステン棟に新設した。
タングステン棟の完成により、タングステン鉱石あるいは超硬スクラップから最終製品である炭化タングステン粉末までを一貫して生産することが可能となり、最終製品である超硬工具においても高品質な製品を短納期で提供する体制が整ったという。
現時点では、WC粉の全生産量の約2割をタングステン棟で生産する計画だが、今後は超硬工具需要の伸張に合せ、製造能力の増強を行う予定。
同社は、今後タングステン棟を含めたタングステン一貫生産ラインを活用することで、レアメタル資源であるタングステンのスクラップ回収事業に取り組み、資源循環型の社会システム構築を目指していくという。