日本金型工業会東部支部( http://www.east.jdmia.or.jp )は1月18日、東京・上野公園の上野精養軒で「平成23年新年懇親会」を開催した。冒頭、挨拶に立った牧野俊清支部長は「今年の干支はかのとう、成長する年と言われている。我々にとっても新たな成長の年になれば良いと思っている。その牽引役として若い力が必要。当支部においても若い金型経営者の組織である天青会が海外展示などを通じてグローバル化を推進しており、金型の新時代を迎えようと努力している。本日御臨席の皆様のご指導を仰ぎながら今後も活動をしたいと思っている」と述べた。
来賓挨拶では、経済産業省・製造産業局素形材産業室の金子敬一課長補佐が「昨年、金型関連の海外出張を韓国、ドイツとさせて頂いた。感想としては日本の金型の質、仕事に対するがむしゃらさでは、どちらにも負けていない。視点を海外に向けることで、まだまだ成長する余地はあると思う。昨年、日本の金型業界ではタブーになっていたと思われる海外展開、M&Aなどの業界再編が進められたことにより次の時代が見えてきた。それを布石としてさらに大きく羽ばたくことを願っている」と期待を示した。続いて関東経済産業局・産業部製造産業課の勝本光久課長が挨拶を行った。
引き続き、同工業会上田勝弘会長が様々な例を挙げながら「金型業界も淘汰の時代に入った感がある。会員の皆様には何とかこの時代を生き延びてもらいたい。既成概念にとらわれず、ここ一番の力を日本の総合力で発揮する時代が来たと感じている」と厳しい時代を迎えつつも「自社の特化した技術で仕事を広げよう」と会員を発奮した。この後、表彰、新入会員紹介が行われ、賛助会員を代表して牧野フライス製作所・牧野二郎社長の発声により乾杯、懇親会に移行した。
懇親会の前には、機械振興協会・経済研究所の山本聡氏が「5年後の国内金型企業のあるべき姿―金型産業ビジョン2010を踏まえて―」と題して特別講演を実施。日本の金型企業には産業構造の変化が起こっているとして、韓国、シンガポールの素形材企業の事例を挙げながら、日本の金型企業はアジア市場に仕事を拡げる努力が必要との認識を示した。