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三菱マテ、高信頼性薄膜キャパシター材料を開発

三菱マテリアル「ゾルゲル液で電極上に形成された超電体」 三菱マテリアル( http://www.mmc.co.jp )は、スマートフォンなどの高機能移動体通信端末などで使用される薄膜キャパシター(蓄電素子)向け高誘電体材料において、製品素子の大幅な長寿命化の実現に成功したと発表した。

 携帯電話などの移動体通信端末にはキャパシターに代表される多くの電子回路素子が使われている。こうした携帯端末では、もともと小型化が進行し、最近売上を伸ばしているスマートフォンのようにその機能はますます高度化しており、これに伴い、回路構成部品としての素子にもより一層の小型化が求められているという。回路素子の形状は現在チップ状が主流だが、半導体プロセスを用いて格段の小型化を実現することのできる薄膜形状素子を製造する技術が注目を集めている。

 同社では現在、三田工場において薄膜形状の素子を製造する技術として、真空プロセス(真空蒸着法など)より低コストの湿式プロセス(ゾルゲル法)向けに、薄膜キャパシター製造用のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系高誘電体ゾルゲル液を製造・販売している。

 今回、同社では材料設計や膜組織制御に工夫を重ね、さらに独自の寿命評価技術を持つ優位性を最大限に活用し、高温・高圧下での加速寿命試験において現行標準タイプの十数倍の長寿命をもつ薄膜キャパシターを実現する、新たなPZT系ゾルゲル液の開発に成功した。

 同社では、PZT系ゾルゲル液をはじめ、高誘電体ゾルゲル液事業において5年後には、年間10億円の売上げを目指している。

※湿式プロセス(ゾルゲル法)・・・有機金属化合物の溶液(ゾル液)を基板に塗布し、乾燥してゲル膜(ゼリー状の固体)を得、その後焼成することで、基板上に金属酸化物の膜を得る成膜方法