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ビクトレックスジャパン、スポーツ・レジャー向け軸受でPEEK樹脂需要を開拓

ros ビクトレックスジャパン( http://www.victrex.com/jp/ )は、同社のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂をケージ部品に用いたボールベアリングが欧州でスポーツ用途、特に競技用自転車の分野で高い評価を受けていることから、これら海外での事例紹介を通じ国内のスポーツ・レジャー市場での需要開拓を進める。

 ボールベアリングのケージ部品はベアリング内部のボールを保持する摺動部品で、その設計と使用材料によってベアリングの性能と信頼性が左右される重要部品。スポーツ用途の中でも、とりわけ自転車競技の世界では部品の摩擦性能がレース結果に直結するため、ベアリングには摩擦係数が低く、軽量で優れた機械的特性を発揮する材料が求められている。これに対し樹脂部品メーカーの独ROS社では、競技自転車用ベアリング・ケージ部品の素材にビクトレックス社の摺動特性に優れるPEEKを用いることで、ボールと接触するベアリング・ケージ表面の滑り性を向上、低フリクション化を図りベアリング内部の摩耗を抑えている。また、PEEKが低密度なことからケージ部品の慣性を小さくできるため、ベアリングの回転性能を向上している。

 このROS社のPEEK製ベアリング・ケージを使用しているのが、競技用自転車向けベアリング大手のデンマーク・セラミックスピード社。競技用自転車において、同社のベアリングをタイヤのホイール・ハブに使用した場合、大幅な摩擦低減によってより素早い加速が可能となるほか、自転車のボトムブラケットに使用した場合、同社のベアリングが軽量で円滑に動作し強固なことから、速度、耐用年数や回転性能の向上を図ることができる。2009年のツール・ド・フランスでは、20チーム中9チームが社のベアリングを装備した自転車を使用したほか、2008年の北京オリンピックでは、自転車のロードおよびトラック競技やボート競技といった種目の中から特別に選ばれた50名が同社のベアリングを装備、合計17個のメダルを獲得したという。

 ビクトレックスジャパンではこうした事例や無潤滑で適用できるといったメリットを紹介しつつ、スポーツ・レジャー分野での市場開拓を進める意向。