アルバック( http://www.ulvac.co.jp )は薄膜の膜厚や光学定数を測定することができる小型化と高速化を実現した分光エリプソメータ「UNECS-2000(ユネクス-2000)」を開発、販売を開始した。
一般的に分光式エリプソメータは、ある波長帯域で薄膜の偏光状態を測定できるため、多層膜など複雑な構成の薄膜解析も可能となる。測定方式としては、光学素子を機械的に回転させて偏光特性を制御する『素子回転型』、または電気的に偏光素子の偏光特性を制御する『位相変調型』の2つに分類されるが、いずれも複雑な光学系を機械的・電気的に制御する必要があるため、小型化、高速化への対応が困難だった。
2枚の高次移相子の偏光干渉により得られるスペクトルを利用し、スナップショットでサンプルの分光偏光パラメータの波長分布を瞬時に測定できるため、従来方式のような複雑な回転機構や制御機能を必要とせず、センサの小型化と大幅な高速化を実現させた。φ200mmまでのサンプルに対応した電動式ステージを備え、簡単な操作で高精度な測定が行えるため、研究開発から生産ラインまで、幅広い用途で使用できる。
(1)コンパクト設計
高次移相子を用いた分光偏光方式により、小型化を実現した投受光センサヘッドと光源やコントローラなどの周辺機器を内蔵させた斬新な一体式デザインを採用し、コンパクト化を実現した。
(2)高速測定
高次移相子を備えた分光偏光方式では、従来のように機械的、電気的に偏光素子を制御する必要が無いため、スナップショットでの高速測定が可能。
(3)優れたコストパフォーマンス
測定本体のほか、制御用PCや解析ソフトなど操作に必要な機器は標準で付属しており、分光式エリプソメータとして優れたコストパフォーマンスを発揮。
(4)編集可能なマテリアルテーブル
データ解析に不可欠なマテリアルテーブルファイルは容易に編集や追加が可能。
(5)多層膜測定
最大で6層までの各層の膜厚の同時測定が可能。
販売価格は1,100万円(本体とPCを含む、オプション含まず)。