合同技術研究会のもよう トライボコーティング技術研究会( http://www.tribocoati.st/ )とドライコーティング研究会は7月30日、東京・八重洲の関西大学東京センターで、「第3回:トライボコーティング・ドライコーティング合同技術研究会」を開催した。トライボコーティング技術研究会では、2010年度第2回研究会を兼ねて開催、約100名が参加した。
当日の講演内容は以下のとおり。
- 「DLC薄膜の電気的特性-電気抵抗率と誘電率-」杉本隆史氏(関西大学)…厚さ1μmのDLCをプラズマアシストCVD法により銅合金基板および半導体材料であるSiウェハー上に成膜し、密着性や電気抵抗率を評価するとともに、皮膜特性に及ぼすポスト熱処理の影響を検討した。
- 「コロイド溶液を利用したプラズマCVD法による微粒子含有DLC薄膜の成膜 」伴 雅人氏(日本工業大学)…コロイド溶液を利用したプラズマCVD法で作製した、酸化チタン含有DLC薄膜とフラーレン含有DLC薄膜を紹介、同成膜法によって溶媒およびナノ粒子の種類を変えることで様々な特性の薄膜が形成できる可能性を示した。
- 「DLC被膜の転がり部品への適応について 」佐藤 努氏(日本精工)…軸受や直動案内など転がり部品での固体潤滑特性を向上するDLC皮膜について、密着性向上のためのSi中間膜の有用性などを示した。
- 「医用材料や医療機器への応用に向けて-生物学的安全性の見地から-」小島幸一氏(食品薬品安全センター)…医療機器の承認申請について概説した後、医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的試験のガイドラインについて説明したほか、生物学的安全性評価試験の概要を日本、ISO規格、米国FDA規格などの比較を交えて紹介。