日本トライボロジー学会( http://www.jast.or.jp )の第3種研究会「変速機のトライボロジー研究会」(主査:村上靖宏氏)は7月16日、東京・芝公園の機械振興会で第6回研究会を開催、約60名が参加した。当日は以下のとおり話題提供が行われ、それぞれ質疑応答が活発になされた。
「乗用車用チェーン式縦置きCVTの開発」江里口 磨氏(富士重工業)…水平対向エンジンのための縦置きチェーン式CVT「リニアトロニック」について、横置きFF-CVTと同等の燃費性能、変速応答性やドライバビリティの向上を狙ったパッケージング、専用オイル開発などの取組みを紹介した。
「ベルト・プーリ間のμ向上化の取組み」伊藤靖朗氏(ジヤトコ)…ベルト・プーリ間のμ向上によるフリクションロス低減(燃費向上)を狙って、粗さ突起密度、境界潤滑膜の厚さ、境界潤滑膜のせん断強度をそれぞれ大とするプーリ面の表面粗さ調整について検討した。
「LuK CVT Components for High Efficient Drivetrains」中澤智一氏(シェフラージャパン)…中~高トルクエンジンの乗用車で実績を持つLuKのCVT技術のうち、独自のCVTチェーンに焦点を当て、トライボロジーの観点からチェーンバリエータの内側、リンクプレートとロッカーピン、あるいはロッカーピンとプーリー表面の接触状態の解析について紹介。また接触面の最適化、計測、シミュレーション技術の可能性についても紹介した。