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日立化成工業、無電解金めっきや周辺技術の基本特許網を確立

 日立化成工業( http://www.hitachi-chem.co.jp )はこのほど、無電解金めっきに関し、めっき液、その用途、評価法に及ぶ広範な特許網を確立した。

 同社は、1970年代にスルーホール用無電解銅めっき薬品の開発に着手して以来、めっき技術の向上に努め、1980年代後半には非シアン系無電解金めっき液を開発したほか、1995年には無電解Ni/Pd/Auめっき方法の開発に成功し、1996年には世界で初めて無電解Ni/Pd/Auめっきを施したファインピッチBGA(Ball Grid Array)基板を上市するなど、モバイル機器の小型化の一役を担ってきた。

 近年、携帯電話に代表されるモバイル機器の小型化に伴い、半導体パッケージは高密度実装が可能なBGAタイプが増えており、その実装基板には、高密度化に有利な無電解金めっき技術が幅広く使用されているが、モバイル機器の落下時に生じる、BGA基板のはんだ接合部の不良を正確に評価できないという課題があることにいち早く着目し、新規に高速度シェア試験法を見出し、特許出願を行った。この試験法は落下時の衝撃を再現でき定量的に評価できるものであり、その効果は高く評価され、アメリカ表面実装学会(SMTA)から2001年に国際最優秀論文賞を贈られたほか、2005年には日本のエレクロトロニクス実装学会から学会技術賞を受賞した。

 同社はこれまで、無電解金めっきに関する発明について継続的に特許出願し、特許網の構築を行ってきた。2010年1月に上述の高速度シェア試験法及び試験装置に関する特許出願が登録となり(特許第4438190号、特許第4438837号)、2月には無電解金めっき構造物に関する特許出願(特許第4449459号)が、3月には無電解金めっき液に関する特許出願(特許第4475282号)が相次いで登録となった。これにより、同社は「無電解金めっき及び周辺技術において強固で広範な特許網を確立することができました」という。