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自動車技術会賞授賞式を開催、NSK宮田氏らが論文賞

自動車技術会賞授賞式で岡本会長(中央)より記念品を受け取るNSK・宮田氏(右) 自動車技術会( http://www.jsae.or.jp )は、5月20日、神奈川・みなとみらいのパシフィコ横浜で「第60回自動車技術会賞授賞式」を開催した。論文賞では、日本精工・宮田慎司氏とミュンヘン工科大学のBernd-Robert Höhn氏、Klaus Michaelis氏、Oliver Kreil氏が共同で研究を行った「トロイダル形無段変速機のトラクション接触面内部における発熱解析」が受賞。自動車技術会の岡本一雄会長より宮田氏が代表して記念品を受け取った。

 このほか、技術貢献賞で渡邉浩之氏(トヨタ自動車)「安全、環境、情報等自動車全般において自動車技術と社会に貢献 」、浅原賞学術奨励賞で村田豊氏(本田技術研究所)「 尿素SCRシステムのNOx浄化率向上に関する研究」 、技術開発賞で江里口磨氏ら5名(いずれも富士重工業)「乗用車用チェーン式縦置きCVTの開発」など23件、68名が受賞した。

トロイダル形無段変速機のトラクション 宮田氏らの受賞理由は、以下のとおり。
トロイダル形無段変速機のトラクション 「地球環境問題に対する自動車の燃費改善要求に伴い、大型自動車用のCVT(無段変速機)にも、更なる伝達効率向上が求められている。トロイダル形 CVTの伝達効率は、運転中の接触部の発熱による温度上昇により、その効率は大きく変化する。このトラクションの接触部は、運転時に生じる微小滑り領域でスピン運動を伴いながら発熱を伴うため、予測が困難な状況であった。本論文は、トラクション接触部の接触面内部の温度上昇量を、二円筒転がり試験機を用いたモデル実験で実測するとともに発熱を考慮したトラクション接触面内部の温度上昇計算式を示し、実測データと検証を行ったもので、これにより、トロイダル形CVTの伝達効率の正確な予測に貢献するものである」。