NEDO( https://app3.infoc.nedo.go.jp )は、燃料電池・水素技術開発の促進とその早期普及を目的として、ドイツの燃料電池・水素ナショナルプロジェクトの研究開発をマネジメントする水素・燃料電池機構(NOW)との間で、情報交換に係る覚書(MOU)を5月16日、第18回世界水素エネルギー会議(WHEC 2010)の会場であるエッセンで締結する。
両国における燃料電池自動車や水素インフラストラクチャなどに係る技術開発・実証研究の成果や事業化シナリオなどの情報交換を通じて、技術開発の効率的推進・国際普及の促進を図っていく。
NEDOは、これまで燃料電池・水素インフラに係る「技術開発」、「実証研究」、「基準・標準化」を相互に連携を図りながら推進してきた。2009年5月には家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)が世界に先駆けて商用化され、経済産業省の導入支援補助金制度の下で2009年度に5,200台を超えるエネファームが設置さた。今年度以降も国内での普及拡大とともに、近い将来には海外への展開も期待される。
また、燃料電池自動車(FCV)に関しては、民間企業を中心とする燃料電池推進協議会から「FCVと水素ステーションの普及に向けた事業化シナリオ(2015年普及開始、2025年本格普及)」が発表された。これによりNEDOとしては「2015年に向けて、FCVおよび水素供給ステーションの技術開発などを加速することが必要」としている。
ドイツでは、NOWのマネジメントの下で、FCVと水素インフラに係る実証研究等が重点的に展開、さらにNOWなど複数の産業界による「水素インフラ整備のためのコンソーシアム」が2009年9月に設立され、事業化に向けた動きが活発化している。
NEDOはFCV、水素インフラなどの技術開発を効率的に推進するとともに、これらの技術を国際的に早期に普及するために、NOWと適切な連携を図っていくことが有意義であると判断し、NOWと情報交換を柱としたMOUを締結することとした。