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日本赤外線サーモグラフィ協会が設立

 日本赤外線サーモグラフィ協会( http://www.thermography.or.jp )が4月22日に発足、東京・千代田区の東京ステーションコンファレンスで設立発表会を開催した。赤外線サーモグラフィの広範な科学技術分野への普及を図るとともに、正しい測定方法を身につけた技術者の養成を目的として発足したもの。理事長には、神戸大学教授で、日本非破壊検査協会「赤外線サーモグラフィによる非破壊評価特別研究委員会」主査の阪上隆英氏が就任した。

 赤外線サーモグラフィは、赤外線を検知して温度や熱を可視化する技術を利用した装置および測定方法。インフルエンザなどの発熱性疾患の検知から、プラントの異常発熱や構造物の欠陥による温度変化を重大な事故に至る前に検知する予防保全まで幅広い分野で利用され、10年前は数百億円程度だった世界市場(赤外線カメラ・モジュールカメラを含む)が現在1,000億円超の規模にまで拡大している。市場を牽引しているのは電力・電気設備の保守保全、発熱異常監視、建物診断に代表される非破壊検査などだが、国内では建築基準法改正(定期報告制度)により赤外線診断の適用範囲が広がり、また2009年には原子力施設の保全技術指針に赤外線サーモグラフィ法の適用が制定、さらには本年4月から改正省エネルギー法が施行されたことにより熱エネルギーの漏れ診断を熱計測により行うなど、さらなる用途拡大が見込まれている。

 同協会はこうした状況を踏まえ、赤外線サーモグラフィを正しく使用するための診断技術者向けのセミナーの実施や資格・規格の制定・整備のニーズに対応していく必要があると見て、設立された。