NTN( http://www.ntn.co.jp )は、磁気エンコーダと磁気センサを組み合わせ、回転軸の回転位置(回転角度)を高い精度で検出可能な磁気式の「高精度磁気式角度センサ」を開発した。磁気エンコーダを軸受と一体化することで設置スペースのコンパクト化となり、対応する磁気センサは高精度でありながら取り付けも容易。
同品は、磁気エンコーダを軸受の回転輪に一体化することで、軸受に隣接した8mm以下の軸方向スペースにセンサ部全体をコンパクトに配置可能。これによりモータの小型・軽量化を実現する。また、高い精度(角度精度 : ±0.4°以下)で安定した角度検出を実現し、電気自動車の駆動モータなどへの適用が可能。
高速回転(最高回転数 : 15,000rpm、24極対磁気エンコーダ使用時)対応可能により、電気自動車の駆動モータへの適用が可能となる。磁気エンコーダの磁極対数を少なくすれば、15,000rpm以上の回転にも対応可能だという。また、信号処理回路を内蔵しているため、レゾルバで必要とされる外付け処理回路が不要であり、システム構成を簡略化できる。
電気自動車等の駆動モータや電動パワーステアリングなどのモータでは、エネルギー効率を高めるために、ロータの回転位置に応じてモータ電流を精密に調整している。これにはロータの回転位置を正確に検出する角度センサが必要であり、振動や汚れが懸念される環境では磁気センサやロータ、ステーターのコイルから発生する電磁誘導を利用して角度を検出するレゾルバが使用されている。しかし、レゾルバは信号処理回路を別途用意しなくてはならず、磁気センサを使用した角度センサには回転軸の軸端で測定するタイプが多いため、これまで回転軸の外周に配置して測定できる高精度な角度センサはなかった。
同品は、自動車の車輪速センサなどに広く使用されているリング状の磁気エンコーダを回転体に取り付け、固定側部材に設置した磁気センサと組み合わせて角度を検出する構成。磁気エンコーダ上には異なる磁極数の磁気パターンが2列に形成されている。この2列の磁気パターンを独立した2つの磁気センサで読み取ると、2つのセンサ信号間のずれ量が回転位置により変化する。このずれ量から回転位置(角度)を精度良く求めている。磁気センサには、磁気パターンを正確に読み取る性能が必要となるため、フランスのSNR社との共同開発による高分解能磁気センサ技術を応用している。