日産自動車( http://www.nissan-global.com/JP )は3月30日、同社のグローバル本社で、電気自動車「日産リーフ」についての記者発表を行った。会見の席上、COOの志賀俊之氏は4月1日より全国の販売会社で同社初の量産電気自動車(EV)「日産リーフ」の予約注文受付を開始すると発表した。日本における予約注文が始まった後、今後北米、欧州においても価格が発表され、その後予約注文の受付が開始される。なお、同車は本年12月の発売を予定している。
リーフの価格は376万円から設定。2010年度も昨年度同様のEV補助金制度が続くことを前提に試算すれば、一台あたり約77万円の補助が政府から受けられると予想され、その場合の購入者の負担は299万円となる。また、EVであるリーフは、2011年度まで自動車重量税、自動車取得税は免税、自動車税は購入翌年度に50%軽減される。
6年間の保有を前提に同クラスのガソリン車と比較した場合、月1,000km走行を前提に東京電力夜間電気料金にて充電した場合、電気のみで走るEVの燃料代は86,000円。ガソリン車はガソリン代148円/L、月1,000km走行を前提としたガソリン車の67万円に比べて安くなるという。
同社の日本マーケティング・セールス担当常務の片桐隆夫氏は「同クラスのガソリン車は6年間でCO2を約10t排出するが、リーフは、走行中にCO2を一切排出しない。この画期的で魅力的な価格を兼ね備えるEVを12月に市場投入することで、まったく新しいモビリティライフをお客さまと共に創造していきたい」と述べた。
なお、国内における2010年度の「日産リーフ」販売目標台数は、6,000台を見込んでいる。
このほか会見で発表された内容は以下のとおり。
- 全国日産ディーラーにおける充電設備工事取次ぎ
EVは、家庭や事業所における充電環境を整える必要があるため、日産ディーラーが窓口となり、戸建て住宅への充電設備工事の取次ぎを行う予定である。
- 戦略的日産充電ネットワークの構築
12月の発売までに、日本全国の日産ディーラー全店舗(約2,200店)に200Vの普通充電設備を設置し、その内約200店舗に急速充電器を設置する。半径40km圏内に急速充電器設置店を一店舗配備することで、日本全国をカバーする。これにより、「日産リーフ」で日本中を快適にドライブできる環境を整える。
- 日産自動車製の急速充電器の開発
日産はこのほど、従来品の半額程度の価格となる急速充電器を開発した。本急速充電器は、全国の日産ディーラー約200店舗に設置される。また、今後市販することも計画している。
- 全国日産ディーラーにおけるアフターサービスの提供
従来のクルマと同様に、全日産ディーラーの店舗でアフターサービスを行う。ディーラーのサービス工場には、EV用の整備機器が配備され、EV専門の教育を受けたテクニカルスタッフが整備を行う。
- 「日産リーフ」全国試乗ツアーを今夏より開始
今夏より、「日産リーフ」全国試乗ツアーを行う。各地で試乗会、EV関連展示、そして市民参加型のワークショップを開催することで、EVの理解醸成と普及促進を図る。
日産はルノーと共に、「ゼロ・エミッション車で世界のリーダーになる」という目標を掲げており、世界各国の政府や自治体、企業などと合わせて既に50件を超えるゼロ・エミッションモビリティに関するパートナーシップを締結している。同社は、「日産リーフ」を2010年度に日本、米国および欧州で販売開始し、2012年にはグローバルに量販する。