三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は4月1日付で、工作機械事業部(滋賀県栗東市)に、機械加工プロセスをサポートする「加工技術センター」を設置する。同事業部が工作機械の開発・生産で蓄積したノウハウを総合的に活用することにより、全社のものづくり革新を促進するのが狙い。様々な技術課題の解決を通じて、成長市場を開拓する独創的な新製品・新事業の創出や、提案営業の実現につなげていく。
加工技術センターは工作機械事業部長直属の組織として、既存の技術開発課を発展的に改編し、15人体制でスタートする。全社の技術最適化、最先端化に向け、各事業所・グループ会社が保有する生産技術をデータベース化し、成長分野製品の製造技術開発などを積極的に支援していく。また、総合コンサルティング機能を発揮し、設備の計画・立ち上げから保全までカバーする「加工関連プロセスの一貫サポート」を特長とする。
具体的には、それぞれの製品に対応した切削技術・コーティング技術の開発および加工相談への対応や、自動化を考慮した最適な加工工程の設計、搬送および治具の自動化技術の提案などの業務を行う。工場全体の最適設備構成のシミュレーションのほか、海外拠点設備計画の支援や工場診断などにも取り組んでいく。
同社工作機械事業部は、各種工作機械と切削工具を手掛ける国際的にも類のないメーカーであり、世界初となる切削油不要の歯車工作機械と切削工具を製品化。このような強みを活かし、量産・非量産加工に最適な機械と工具を提供するとともに、社内にある原動機、航空宇宙分野など、一段と高い信頼性が要求される製品の生産に求められる特殊な工作機械や、最先端および新素材の加工技術の開発にも力を注いでいる。
同社は2006年度から、全社で「ものづくり革新活動」を推進中。同活動を通じてさらに多様化・高度化する加工ニーズに、工作機械事業部が持つ豊富な技術・ノウハウをマッチングさせることで、最先端加工技術の開発につなげて生産現場の変革を促す一方、開発した先駆的技術を広く顧客にも提案し、売り上げ拡大に結び付けていく。また、各種の技術課題について、加工技術センターを技術本部、ものづくり革新活動を統括するものづくり革新推進部などと有機的に連携させながら、最適なトータルソリューションを追求していく。