日刊工業新聞社が選定する「2009年(第52回)十大新製品賞」が決定、1月27日に東京・飯田橋のホテルグランドパレスで贈賞式が行われた。機械要素関連では、ジェイテクト、新日本石油などが受賞した。
十大新製品賞は同社が1958年に創設、今回で52回目となる。今回は78社82点の応募があり、①独創的な発明で、国内外で反響が大きい②様々な工夫や研究改良により、性能が世界最高水準に達している③至難とされていた技術上の問題を解決し、商品価値から見て、わが国産業水準の向上に著しく貢献すると見られる④産業・社会の発展に役立つ先導的な役割を果たしたと見られる、などを基準に選定された。応募製品の中で特に優秀と認められた製品に対し贈られる「増田賞」(賞の創設者・故増田顕邦氏に由来)には、東芝の「新型二次電池SCiB」が選ばれた。また、ジェイテクトの「CNC複合研削盤 TG4グラインディングセンタ」が外径・内面研削用など2種の砥石を取り付けた砥石台を高速で自動回転、2台分の工程を集約したことなどが評価され「モノづくり賞」に、新日本石油の「指紋除去性付与型長期さび止め油 アンチラストテラミLS-F」が指紋除去とさびの長期防止を1工程で行うことなどが評価され本賞に、それぞれ選ばれた。
ジェイテクト・井川正治副社長(写真左)は「外径と内面の研削を1工程に集約できることで、CO2排出量を35%削減できる。こうした省エネ工作機を普及させる、税制優遇などの制度作りに期待したい」と語った。また、新日本石油・荒木康次執行役員潤滑油事業本部潤滑油統括部長は「新日鉱ホールディングスとの統合でJXホールディングスが誕生するこの年に、潤滑油という表舞台にあまり登場することのない技術が評価されたことは感慨深い。今回の受賞製品のように、環境に配慮し、また工程を減らしたいというユーザーニーズに応える商品を今後も手がけていきたい」と受賞の喜びを語った。