NTN( http://www.ntn.co.jp )は、電気鋳造技術の精密転写性と樹脂射出成形技術を組合せ、軸径0.6mmの世界最小径となる動圧軸受を開発、商品化した。
従来、同社では、焼結含油軸受の内径面に動圧溝を形成した動圧ベアファイトを生産しており、その信頼性の高さから、HDD用スピンドルモータやファンモータなどで販売が伸びているという。 また、今後需要の拡大が期待されるモバイル機器に搭載される小型ファンモータなどでは、より一層の静音性、信頼性が求められる一方、さらなる小型化(軸径1mm以下)の要求も高まっている。
このため、同社では、ユーザーの要求に応えるため、電気めっきの一つである電気鋳造が有する精密転写性を利用して、軸受内径面に動圧溝を形成した世界最小径の動圧軸受を開発した。また、射出成形を利用しているため、軸受・装置の小型化だけでなく、周辺の樹脂部品との一体化も可能であり、部品点数削減、組立工数削減などのメリットも得られる。
すでにファンモータメーカへのサンプル提出を進め、2010年中の量産採用を目指している。また、本製造手法は、さらなる小径化も可能であるため、将来的には軸径0.3mmの商品化を目指すという。