日本精工(NSK、 http://www.jp.nsk.com )は、自動車部品加工用のマシニングセンタの主軸(スピンドル)として、「高剛性・高出力ビルトインモータスピンドル」を開発した。2010年1月より販売開始し、2012年に15億円の売上げを目指す。
中国をはじめとした新興国で自動車など生産設備の増強が活発に行われ、これに伴いマシニングセンタの需要が増加している。これらのマシニングセンタには、中低速回転で大きな外力に対応する重切削のニーズが高くなっているという。さらに、環境負荷低減の要求が次第に高まっている。同品は、高剛性と高出力化により、部品加工能率を高めた。さらに軸受に微量のグリースを補給する潤滑方式を採用することで、長寿命化と人に優しい作業環境の実現と省エネに貢献する。
同品の主な特徴は以下のとおり。
- 高剛性・高出力
・同品は最高回転を中低速域の12000min-1に設定し、自動車部品加工に多く採用されている工具サイズBT40/HSK-A63クラスにおいて、最大級の軸受内径80mmを採用し、定位置予圧・グリース補給潤滑により剛性を高め、切削加工能力30%アップを実現した。
・最高出力30kWの高出力ビルトインモータの採用により、停止から最高回転数までの立上り時間を10%短縮した。
・コンパクトな設計により従来の中出力スピンドルと取付け互換性がある。
- 低振動・低騒音
・グリース潤滑の採用により、オイルエア潤滑のような風切り音がなく、騒音を1/3以下にした。
・多面バランス修正技術により低振動を実現した。
- 低環境負荷
・グリース潤滑の採用により、軸受潤滑用のオイルとエアの消費がなく、また、大気中への軸受潤滑オイルの飛散がない。