メインコンテンツに移動

NTN、高域・高分解能小型センサを内蔵したハブベアリングを開発

NTN「広域・高分解能小型センサ内蔵ハブベアリング」 NTN( http://www.ntn.co.jp )は、フランスのSNR社と共同で開発した高分解能回転センサを内蔵し、車両制御の高度化に貢献する「広域・高分解能小型センサ内蔵ハブベアリング」を開発した。

 多くの車輪用軸受(ハブベアリング)には、車速検知ABS※1・ESC※2などの車両制御を可能にする車輪回転センサが組込まれている。車輪回転センサは、円周方向にNS極が交互に同一間隔で着磁された磁気エンコーダ(回転側)の磁極変化をセンサ(固定側)で検出し、車輪の回転信号として車両制御などに使用されている。

 回転信号を細かく(高分解能化)することで、車両の僅かな移動量を検出することが可能となり、より細やかな車両制御が可能となる。同社は、従来の磁気エンコーダを使用して最大40倍までの分解能を有する磁気センサを組み込んだ「高分解能回転センサ付ハブベアリング」を2007年に開発したが、高速時においては、データ処理能力負荷が高いという課題(低速走行時の高分解能を維持したままで高速走行時の単位時間当たりの出力パルス数低減)があったという。

 同品はABS信号と高分解能信号の2種類の信号出力が可能。低中速域では高分解能信号を使用して車輪の回転速度を従来の40倍の精度で検出可能なため、車両の僅かな動き(標準的な車両で1mm)を検知することができ、車両制御において最適なタイミングでの制動力制御が可能となる。一方、高速域では、ABS信号を使用するため、データ処理能力に対する負荷を小さくできるという。

 同品の高分解能信号は、回転方向を検知するために2種類のパルス(AB相パルス)を出力しており、これらのパルスの出力状況を見ることで、坂道発進時の後退検知や自動駐車等の車両制御に必要と考えられる車両の前進後退の検知が可能。また、センサ内IC(集積回路)の小型化による設計自由度の向上により、開発品の小型化が可能となった。


※1 ABS : アンチロック·ブレーキ·システム(タイヤのロック防止装置)
※2 ESC : エレクトロニック·スタビリティー·コントロール(車両姿勢安定装置)